淑与野ニュース

【卒業生インタビュー】ミス立教と相撲部主将が来校

最近 “話題” の本校卒業生2人が遊びに来てくれました。立教大学社会学部4年生の古澤里佳さんと、おなじく立教大学コミュニティ福祉学部4年生の奧村百花さんです。

古澤さんは2017年度の「ミス立教」でグランプリに輝き、マスコミの注目を集めました。

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奥村さんは、この4月立教大学体育会相撲部の「主将」に就任しました。大学の男子相撲部で史上初の「女性主将」として、先日NHKの「おはよう日本」でも紹介されました。

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この対象的なフィールドで活躍するお2人は、なんと淑徳与野高校2017年3月選抜C卒の同級生です。お話を伺いました。

まず、ミス立教の古澤さん。

●引っ込み思案な自分を変えたい!

ミスコンにエントリーするくらいですから、さぞ目立ちたがり屋なのでは、と思われるかもしれませんが、実際にはまったく逆。高校生の頃から物静かで驚くほど控えめな生徒でした。当時を知る先生方も、ミスコンのニュースを聞いてみんな驚いたほどです。そんな古澤さんがミスコンにエントリーしたのは、友人に勧められたということもありますが、「引っ込み思案な自分を変えたい」という思いがあったからだそうです。

おしとやかに見えても、正義感が強く、思い込んだことをやり通す信念の持ち主でもあります。立教の社会学部を目指したのも、高校3年生のときに中東におけるテロのニュースを見たことがきっかけ。

「どうしてこんなことが起こるのか、社会の仕組みを学びたい」と大学を探しました。その中で見つけたのが、立教大学の社会学部です。オープンキャンパスで、多文化主義についてジャーナリズムの視点から学べる林 怡蕿先生のゼミのことを知り、そこで学びたいと思って入学しました」。希望のゼミに入り、4年生の今は「シリア紛争についての各国の報道内容の差と、日本人の関心」というテーマで卒論研究を始めています。
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●「鉄」業界で働きたい!

ミス立教といえば、たくさんのアナウンサーや女優を輩出していることでも有名です。古澤さんも、ある新聞社の紹介記事に「将来はアナウンサーに」と書かれていたので、真意を伺ったところ、「記者の方に、『将来はアナウンサーですか?』と聞かれたので、『そいう道もありますね』とお答えしたら、「アナウンサー志望」と書かれてしまった」とか。実際は、まったく違う、かなり「硬い業界」への就職を目指しているそうです。

その業界とは、「“鉄”業界」。鉄や金属の製造業や加工業、商社など、鉄に関わる仕事がしたいとのことです。エーーーッ、と、見た目とのギャップにだれもが驚くのですが、古澤さんには強い信念があります。

きっかけは、ミスコンの副賞でセブ島旅行へ行ったときに見つけたのだそうです。

「セブ島に対して私が抱いていたイメージは、世界中から旅行者が集まる南国の華やかなリゾート。確かに、近代的なホテルやショップ・レストランが立ち並ぶ表通りは賑やかです。でも、一歩路地に入ると、古びた建物が立ち並び、汚れたシャツを身にまとったストリートチルドレンがあちこちにいました。道路も建物も表通りとは比較にならないほどボロボロ。こういった国の生活は、まだまだ遅れているんだなと思いました」

華やかなリゾート地を訪れながら、社会の負の部分・弱者の存在に視線を向けるところが古澤さんらしいですね。古澤さんは、恵まれた日本のインフラを世界の国々にも普及させたいという思いをいだき、インフラの核となる製鉄、鉄鋼商社など、「硬い業界」に注目したのだそうです。

●100年の歴史ある男子相撲部の「主将」に

一方の奥村さん、高校時代はバスケットボール部。超明るいキャラで、いつもみんなを笑わせるクラスの人気者でした。「成績は良くなかった」とのことですが、受験勉強は必死にがんばって、あこがれの立教大学コミュニケーション福祉学部に合格。「たくさん落ちて、滑り込みセーフっていう感じです(笑)」。新入生オリエンテーションの日、「ちゃんこ作りませんか?」と書いたダンボールを持った、いかつい男子学生に声を掛けられ、そのままマネジャーとして相撲部に入部してしまった(!)そうです。

立教大学相撲部は創部100年という歴史をがあり、かつては学生横綱を輩出したこともあります。映画『しこふんじゃった』のモデルでもあり、同映画の監督周防正行さんは、同部の名誉監督も務めています。そんな相撲部ですが、近年は成績が低迷。何とか2部から1部への復帰を図りたいと考えていました。そこで、部員のまとめ役として奥村さんに白羽の矢が立ったのです。
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●みんなをまとめるリーダーシップに期待

主将に指名した相撲部監督の坂田直明さんは、NHKのインタビューでその理由をこう語っています。
「チームをうまく運営・マネジメントする人材をリーダーにしたいと思った。奥村さんはコミュニケーション力が高いし、人を巻き込む力を持っているから(選んだ)」

実際に、放送の中でも、奥村さんが新入部員に声をかけたり、試合のビデオを見ながら振り返りをおこなったりする場面が紹介されていました。部員が4名しかおらず、団体戦に出場するには柔道部などから選手を借りてこなければなりません。その交渉役も奥村さんの仕事です。
「失敗を成長に変えていく」のが奥村さんのリーダーシップのあり方、という言葉も印象的でした。今年の目標は団体戦2部4強に入り、1部の試合出場権獲得を目指しています。

高い目標を掲げて部活動を続けながら、現在4年生で奥村さんは、就職活動のまっただなかにあります。目指しているのは、大学職員です。学生のためならがんばれる。今、主将としてやっていることの延長で、自分の力を発揮できる仕事だと思ったからだそうです。

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●高校時代の思い出は?

2人に高校時代の思い出を聞くと、口をそろえて出てきたのは、クラスのみんなが熱中した文化祭やスポーツ大会、騎馬戦など、クラス単位で取り組む学校行事。みんなで企画を考えたり、戦略を練ったり、大きな声を出して力いっぱいからだを動かしたりして、本当に楽しい学校生活だった、とわずか3~4年前の高校時代を懐かしそうに振り返ります。

古澤さんはそんななかで「長く付き合っていく友達ができた」ことがなによりの宝。奥村さんは「私生活の乱れはすべての乱れにつながる」という“某”先生の言葉を今でも心の中で大切にしているそうです。


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▼本校顧問高橋俊之先生からのアドバイス
最後に、この日たまたま学校に来ていらっしゃった本校教育顧問で、立教大学経営学部特任准教授の高橋俊之先生から、これから社会に出る2人にアドバイスをいただきました。

●支える立場にいる人ほど、工夫が必要だし、率先して動く必要がある

「大学生はとても自由。社会に出ていろいろな責任があるなかでやっていけるのか不安がある」という古澤さんに対して、高橋先生はこんなアドバイスをされていました。

高橋「たしかに大学生が社会に出るときって、これで自由な日々は終わって、これからは責任とルールに拘束される毎日が始まる、というようなイメージを持つことが多いですね。でも、それって自分しだいなんですよ。社会人になったからからこそ、自分で決めて、自分で行動できるということもあるはずです。ある意味、今まで以上に自由にもなりえるのです。与えられた枠を「制約」と捉えるのではなく、置かれたポジションにおける自分の使命さえ押さえておけば、あとは自由に動いていいんだ、と考えてはいかがでしょうか? 
それから、古澤さんは、自分は先頭に立つリーダータイプではなくサポートするほうが性に合っているとおっしゃっていましたが、支える側の人ほど、さまざまな条件に対応して、率先して動く必要があるのです。リーダーシップは、先頭に立つ人だけが発揮するものではないということです。自分の責任でどこまでできるか挑戦してみてください」

●成果の種をまくことにも、大きな価値がある

奥村さんは大学4年生の現在、お兄さんと2人暮らし。家からの仕送りをもらわずに、アルバイトで生活費をまかなっているそうです。その実体験から、「人間として自立するために、お金を稼ぐことがなによりも大切だ」といいます。そんな奥村さんに対してのアドバイスは―。

高橋「お金を稼ぐことの大切さに着目するのはとてもいいこと。そのうえで、お金に振り回されないようにするには、なぜお金が稼げるのかを考えてみるといいですね。お金を稼ぐというのは、奥村さんが、そのお金に値する何か、サービスとか、価値とかを生み出しているからです。その価値に対してお金が支払われるわけです。だから、どんな価値を生み出したら、より高い対価を払ってもらえるかを考えるのです。大学職員になるのであれば、目の前の学生をサポートすることも重要な価値ですが、もっと大きく見れば、その学生が社会に出て世の中に貢献すれば、それも奥村さんが生み出した価値の1つ。そう考えると、自分にできることって、かなり幅広いですよね。すぐに成果物を生み出すことだけではなく、成果の種をまくことにも大きな意味があることを忘れなければ、仕事の自由度がグンと広がるのではないでしょうか? そういうことをイメージしながら、バンバン稼いでください(笑)」

高橋先生、ありがとうございました。
古澤さん、奥村さん、これからの活躍をお祈りします。そして、また学校に遊びに来てください。

(文責/小嶋)

2018年6月15日 11:48