心の教育
心の教育を大乗仏教精神で実現します。
淑徳与野高等学校は78年の歴史を持つ仏教主義の女子高等学校です。
校訓には「清純」「礼節」「敬虔(けいけん)」を掲げ、これらを身体・言葉・心によって実践することで、人としての品性を高めていきます。
共に生きる
古代のインドにこんな話があります。
ある神様が、人々にひじを伸ばしたままご馳走を食べるようにと命じました。
ちょっと試してみればおわかりと思いますが、ひじを曲げず、腕を伸ばしたままものを食べるというのはとても難しいことです。
ある村では、みんながご馳走に群がり、われ先にと食べようとしましたが、食べ物はなかなか自分の口に入りません。上を向いて落とすように食べる人もいれば、自分の顔をめがけてご馳走を投げつける人もいる。中には犬のように食べ物にかぶりつく人もいます。
一方、別の村に行ってみますと、村人たちは2人1組になり、片方の人が相手のご馳走をつまんで、相手の口に入れてあげています。相手も同じように食べさせてあげる。こうして、みんながおなかいっぱいになることができました。
今、世の中では「共生」という言葉をよく耳にします。共に生きる。仏教では古くから「共生(ともいき)」と表現してきました。それは、お互いが、お互いを助け合って生きることです。
高校では、いろいろなことがあるでしょう。時には悩むこともあるかもしれません。そういうときには自分ひとりで解決しようとしないでください。それは、あたかも、ひじを伸ばしたままご飯を食べようとするようなものです。
そうではない、せっかくたくさんの友達がいるのですから、お互いがお互いを助け合って、仲良く過ごしていただければと思います。
もちろん本校の先生方も「自分で何でもやってしまおう」としがちなみなさんに、「それは非常に窮屈な生き方ですよ」と諭し、手を差し伸べることでしょう。
そして3年後、ご自身の希望する進路に、無事に進まれることをお祈りしております。
── 校長 黒田 貴
情操教育
仏教主義に基づく情操教育で共生の心を身につけます
女子教育
女子教育で自立した女性をめざします
国際協力
カンボジアに建てた「淑徳与野なでしこスクール」
本校では、心の教育の観点から、文化祭での収益や、修学旅行の際に発生する航空会社のマイレージを、NGOなどの団体に寄付する活動を行ってきました。
2008年度からは、「JHP・学校をつくる会」の活動に協力し、カンボジアに学校を建設する事業に取り組みました。そして2010年3月、スヴァイリエン県のチッダイ中学校に新校舎を建設、「淑徳与野なでしこスクール」と名づけて寄贈しました。
学校建設から14年。
まだまだ、私たちにできることがあります。
「淑徳与野なでしこスクール」が完成してから14年が経ちましたが、文化祭の収益や募金活動でお預かりしたお金で用意した文具や備品類をお土産に、生徒代表が隔年で学校を訪問するなど、今も生徒たちの交流が続いています。現地を訪れた生徒たちは「私たちが学ぶこともたくさんある。一方的ではなく、お互いを尊重する支援を続けていきたい」と語っています。